定款の作り方 社員及び出資(合同会社)

法務局の合同会社定款例では、章立てされていないのですが、第5条~7条にあたる部分です。

これでは足りないので、少し付け加えます。
条番号は法務局のものと変わってしまいますが、支障は無いかと思います。

第6条 社員の氏名、住所、出資及び責任

社員(株式会社でいう取締役)の氏名、住所、出資する金額を記載します。
社員は、株式会社で言う発起人であり設立時取締役のようなものです。
合同会社の場合は、人的繋がりで会社を作ることを想定してますので、会社をやろうと決めた人たちが中心となるのは自然なことだと思います。

で、「責任」というのは、「企業が倒産してしまったときに、誰が借金などの負債を支払わなければならないか」ということです。

無限責任の場合は、倒産後も個人で支払い義務が生じますが、有限責任の場合は、自分が出資したお金を諦めればそれでいいというものです。

で、合同会社の場合は、有限責任の社員で会社を作りますので、全員が有限責任なのですが、そのことを定款に明記するようになっています。

株式会社の時と同様に、出資に関しては、現物出資も可能ですが、やはり同じように出資したモノを特定できるように詳しく書かないといけません。

第7条 持分の譲渡

持分というのは、株式会社でいう「株式」のようなものです。
合同会社の社員は、皆持分を持ちます。
その持分を議決権として使うわけです。

そして、合同会社の場合、友人や知人と言った人的資源の繋がりによって会社を作りますから、そこに見知らぬ第三者が入ってくることは好ましくありません。

そのため、持分を軽々しく他人に譲れないようにしておく必要があります。
それが、「持分の譲渡」という規定です。

1.社員は、他の社員の全員の承諾がなければ、その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができない。
2.前項の定めにかかわらず、業務を執行しない社員は、業務を執行する社員の全員の承諾があるときは、その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができる。

というような規定が一般的かと思います。

「他人が経営に参加する(合同会社の社員となる)ためには、全員の同意がいるよ」って感じですね。
ただ、「実質的に経営に参画しない社員(業務を執行しない社員)については、全員じゃなくてもいいよ」という感じで制限を緩和しています。

この辺りの緩和度合いは、社員皆さんの合意が取れるのであれば、さらに緩やかに・厳しくしてもいいと思います。

第8条 競業の禁止
第9条 利益相反取引の制限

合同会社は株式会社と違って、取締役の新任・重任というのが無いので、長い年月を経過する間に状況の変化などで、競業あるいは利益相反取引が生じる可能性があります。
行為の禁止については、会社法に規定がありますが、通常、一般的には知る人は少ないと思われます。

なので、そうした規定を敢えて入れておくことが望ましいと思われます。

第10条 社員の加入、退社

先に述べたように、社員は人的繋がりと言えますので、社員の加入についても、全員の同意を得るなどの規定が必要です。
また、退社する場合も、規定があったほうが良いと思います。

なぜなら、合同会社の場合、その社員のスキルを前提としてビジネスを構築している場合もあるので、いつでも簡単に辞められては会社が継続できなくなってしまうからです。
「退社できない」とすることは出来ませんが、「3か月前までに予告する」などの会社としての準備ができるようにしておく必要があります。

第11条 相続及び合併による持分の承継

年齢の若い方が社員となるには気にしないかもしれませんが、定年退職後に新たにビジネスを興す場合は、自分がそこそこの年齢になっている場合もあります。

その場合「相続」についても気に留めておいた方が、後の人(他の社員や相続人など)が困らないで済みます。
この規定が無いことで、相続人が不利益を被ることもあるかもしれません。

パターンとしては

  • 無条件に承継して社員となる
  • 他の社員の承諾により承継して社員となる
  • 本人が入社を希望するなら承継して社員となる
  • 入社を認めない

があります。

最後の「入社を認めない」場合は、この条文を用意しなければいいのですが、法務局の合同会社定款例では、この条文が入っていません。
そのため、法務局の例を使って定款を作成してしまうと、相続の際に困ったことになります。

なので、きちんと条文を入れておいた方が良いと思います。

まとめ

社員と言うと、一般従業員を思いがちですが、会社法(合同会社)の世界では、会社を運営し所有する人たちのことです。
そのため、社員の規定を疎かにすると、招かれざる人を呼び入れることにもなりかねません。

どういう会社にしたいのかを考えて、定款を定めるようにしてください。


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